キャリアアップ助成金（正社員化コース）は簡単？【神奈川県相模原市で助成金を活用する社会保険労務士】

2022/01/14

ブログ

キャリアアップ助成金正社員化コースは雇用関係助成金の中で一番よく知られていて、申請も容易と思われていますが、実は申請が難しい助成金です。

この助成金は従業員を有期契約で雇用して６カ月から３年以内の間に賃金を３％アップさせて正社員転換するというもので、とっても簡単そうに思われています。

でも、実はそんなに簡単ではありません。労務管理が正しく行われていればいいのですが、必ずしもそうなっていないのが実情です。

この助成金を申請する時には労働条件通知書、出勤簿（タイムカード）、賃金台帳、就業規則を提出しますが、それぞれの間に整合性がなければなりません。

例えば、ある相模原の事業所で出勤簿が８時間３０分以上の労働時間になっている日があり、会社の担当者に尋ねてみたときのお話をします。会話の内容は以下のようなものでした。

私：この日は労働時間が８時間を超えているので残業だったのですか？

担当者：いいえ、うちには残業はありませんよ。

私：そうですか、休憩時間が９０分あるんですね。

担当者：いいえ、休憩は１時間です。

私：そうですか、それでは変形労働時間制を採用されているのですか？

担当者：いいえ、変形労働時間制は採用していません。うちは１日いく　　

　　　　らですから残業は無いんです。

この会話の内容から分かることは、実際には残業が発生しいているけど残業代は払ていません、ということになります。不払い残業になてしまいますので、申請しても不支給になるどころか、残業代を払うように言われます。特に運輸業は点呼で運行前と運行後に点呼を取り、時間がはっきりと出てきますので、残業があったのかなかったのか分かりますから要注意です。これが出勤簿と賃金台帳の関係でハッキリ分かります。

就業規則には賃金が明記されていますので、賃金台帳にない手当てなどがあってもダメです。

労働条件通知書には有期契約か無期契約かが明記されますが、その他に賃金も明記しますので、就業規則や賃金台帳との整合性が必要です。

それぞれが皆辻褄が合わなければならないので、しっかりと労務管理がされていないと大変ですし、後から帳票を書き直してはいけません。

このような状況から、初めはコンサルをして、正しく管理が出来るようになった時からスタートしますので、キャリアアップ助成金正社員化コースを受給するまでに2年近くかかることもあり、簡単な助成金などではありません。

-------------------------------------------------------------------

OFFICETRUST build a relationship of trust

　　　　　　 “信頼を築く”

社会保険労務士オフィストラスト

〒252-0131 神奈川県相模原市緑区西橋本5-2-13-105

TEL 042-866-6951 FAX 042-633-0768

代表社会保険労務士 清水利行 (Toshiyuki Shimizu)

E-mail shimizu@officetrust.biz