年金が支給停止にならない方法はありますか？【神奈川県相模原市で助成金を活用する社会保険労務士】 | その他 | 相模原市で助成金申請代行を行ってきた実績や最新の情報をブログに掲載しております

助成金の申請代行を依頼された相模原市の社長から”年金が全額支給停止になるようだけど、支給停止になった年金は後からもらえるんですか？”と聞かれたことがあります。

支給停止になった年金は後から支給されることはない

残念ながら支給停止になった年金は後から受給できることはありません。年金の支給繰下げ請求と勘違いをしているのだと思います。年金の支給繰下げというのは本来支給停止にならずに受給できるはずの年金を自らの意志でもらわなかった場合に1カ月当たり７／１０００の増額率で増額してあとから支給されます。

でも役員の報酬の受け取り方を変えると支給停止にならないこともあります。

役員報酬を事前確定届出をして賞与をもらう

まず、役員が賞与をもらえるようにしましょう。

通常役員に賞与は支給されず、何もしないで賞与を支給すると損金処理はされません。つまり、役員に賞与を支給しても費用とはならず、全て利益となてその分も合わせて法人税を支払うことになります。

でも、総会で決議して、事前確定届出給与を税務署に提出しておけば決まった金額の賞与を支給することが出来ます。

毎月の報酬と賞与の金額と支給日を確定させて、その通りに支払います。金額は１円でも違ってはいけません。支払日も必ず決められた日に支払わなければいけません。

賞与に対する保険料には上限があります

賞与に対する保険料は標準賞与額により決まります。

厚生年金の標準賞与額は１回あたり１５０万円が上限となりますので、１５０万円に対する保険料を支払します。

健康保険では１年につき５７３万円が上限となります。

従って、賞与を５００万円支給したとしても、標準賞与額は１５０万円になります。

在職老齢年金制度の仕組み

在職老齢年金は報酬が一定額を超えると年金が支給停止になってしまう仕組みです。

毎月の賃金（標準報酬月額）＋賞与（標準賞与額）／１２月＋年金月額　

が４７万円を超えると年金の支給停止が開始します。

賞与はいくらであっても上限は１５０万円、年金月額は１９万円程度として残る毎月の賃金を１５万円とした場合

１５.5万円＋１５０万円／１２＋１９万円＝４７万円　

となり年金は支給停止されません。

事前画定届出給与により年金が支給される

年間１０００万円の役員報酬とした場合、通常なら年金が支給停止となりますが、総会で決議をし、事前確定届出給与を提出して役員に賞与を支給した場合、

毎月の賃金１５.5万円×１２カ月＋賞与８１４万円＝１０００万円

とこのような報酬支払方法にした場合、年金が支給停止にならないことになります。

私は当事務所に助成金の代行申請を依頼された方には以上のような内容を説明していますが、注意しなければいけないことは、賞与の支給は年に１回にすることと、経営を圧迫しないように賞与の金額を決めることが必要になります。

事前確定届出給与を行わない方が良い場合

そして、役員退職慰労金規定がある場合、最終月の報酬により退職金の額が変わりますので、退職金が低くなってしまいますので、事前確定届出給与は行わない方が良いです。

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